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自己紹介

2021年9月よりスタンフォード大学に進学予定。現在はボストン大学に通っています。研究対象はBrain-Machine Interfaces (BMIs)という分野です。
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アメリカ大学院留学 – 奨学金のすすめ

はじめに

アメリカで高等教育を受けるために必要な学費は日本と比べ物にならないほど高いのは有名です。事実、留学生は平均して年間800万円(学費、寮費、食費、生活費などすべて含める)ほど支出があり、金銭的に余裕がない限り不可能です。

しかし、大学院においては少々事情が変わってきます。というのも、年間800万円近くの出費が必要なのは学部と修士課程のみでして、博士課程の学生であれば、基本的に学費は免除されるからです。これは「アメリカと日本の大学院システムの違い」という記事でも書きましたが、アメリカの大学は博士課程の学生に対して、これでもかというくらい優遇してくれます。

その理由は博士課程の学生が研究の戦力になるからです。学費が免除されるのはもちろん、それに加えて毎月の給料も出るため(約25万円~)バイトなどを掛け持ちする必要もありません。こうした理由もあり、一般的にアメリカの博士課程に留学する場合、自分で外部から奨学金を取ってくる必要はありません。しかし、記事のタイトルにも書いたように、個人的には博士課程に出願する予定の人も、必ず外部からの奨学金に応募したほうが良いです

奨学金を申請すべき理由

先程述べたように、アメリカの博士課程では基本的に金銭的な負担がありません。ではなぜ外部からの奨学金も応募するべきなのか。端的に言ってしまうと、外部奨学金があれば博士課程の合格率が非常に上がるからです。

大学院側から見た時、新しい学生を博士課程に合格させることは、とても大きな投資です。学生一人につき年間およそ1000万円ほど負担(=投資)しなければならないからです。学部によって新規に入れる博士課程の学生数は異なりますが、例えば10人合格させて、全員が入学するとなった場合、単純計算で年間1億円ほど必要になります。アメリカの大学は資金が潤沢ではありますが、これが大金であることに変わりなく、そのため大学院側は慎重に審査して、本当に優秀な学生のみを取ろうとします。

その点、外部からの奨学金がある学生であれば、大学院側の負担が非常に小さくなります。大学のAdmission Committeeが公式で明言しているわけではないですが、私が個人的に話した教授達は外部からの奨学金があるのはとても好ましいことだと言っていました。

これ以外にも、奨学金をもつ学生が持つメリットには以下のようなものがあります。

  1. 外部奨学金を受け取っている期間はより自由に自分の興味のある研究ができる。
  2. 奨学金団体からも認められている意味で第三者からのお墨付きとなる。

1つ目の項目ですが、大学がお金を負担する場合、その資金は教授の研究費などからも出てきます。そして研究費というものはプロジェクトに紐付けられた資金であり、その一部を受け取るということは、紐付けられたプロジェクトに関連する研究をしなければならないことになります。その点、外部からの奨学金であればそういった縛りがありません。そのため、研究費がまだ取れないような未成熟の研究などに取り込むこともできます。

2つ目の項目は、個人的な憶測ですが、外部の団体から年間1000万円レベルの奨学金を獲得できる=客観的に見て能力のある学生である、と言えるからです。奨学金には様々なものがありますが、そのほとんどは著名な組織によって運営されており、競争率が非常に高いです。そのため、そういった奨学金を受け取って来れた学生であれば、客観的に評価を受けているという指標になるのではないでしょうか。

以上の理由により、博士課程に出願する学生であっても、大学外の奨学金団体に応募することをおすすめします。

おすすめの奨学金団体

個人的に大学院留学をする際におすすめの奨学金団体は以下の二つです。

これら二つは日本で応募できる奨学金の中でも最も待遇が良く、学費に加えて生活費までサポートしてくれます。そしてもちろんメリットベースの奨学金なので、返済義務は一切ありません。私が応募したのもこの二つだけで、最終的に江副記念リクルート財団より奨学金をいただくことになりました。

それぞれの財団で奨学金の詳しい内訳はことなりますが、どちらも年間約1000万円近くのサポートをしてくれます。奨学金の期間は基本的に2年間ですが、江副記念リクルート財団の方は必要に応じて延長申請が可能なようです。

また、財団生の方々は優秀な方だらけで、そういった方々と繋がれるというのも魅力の一つかと思います。財団主催の交流会などもあるようで、まだ私は参加したことがありませんが、非常に楽しみです。

もう一つ個人的におすすめする理由があり、それは日本の大学に通っていなくても申請できるという点。日本にある多くの奨学金団体は、その応募対象を日本の大学に通う学生に限定しています。しかし江副記念リクルート財団と船井情報科学進行財団は現在留学中の方でも応募が可能です。実際、私も現在アメリカのBoston Universityに通っているため、この二つの財団の存在はとても有難かったです。

おわりに

大学院の出願で大変な時期に奨学金の応募までするのは正直大変です。しかし、奨学金を受け取れることのメリットは非常に大きいので、海外大学院を目指す方は是非挑戦してください。もし、応募の過程でなにか分からないことがあれば、Twitterなどで気軽に連絡してください。私の経験内で分かることはなんでも答えます。

アメリカの大学院への出願プロセスをより詳しく知りたいという方は、こちらの記事を参考にしてください。

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