読み込み中…

自己紹介

2021年9月よりスタンフォード大学に進学予定。現在はボストン大学に通っています。研究対象はBrain-Machine Interfaces (BMIs)という分野です。
読み始める

アメリカ大学の成績優秀者のみが入会できるHonor Society – Tau Beta Piとは

はじめに

Tau Beta Pi(ΤΒΠ、TBP)、日本名をタウ・ベータ・パイ協会と言います。アメリカの大学には成績優秀者のみが入会を許される名誉協会というものが存在し、TBPは米国最古のエンジニアリングの名誉協会です。

Tau Beta Piの紋章

TBPは米国中に支部が存在しており、所属する大学の場所によって入る支部(チャプター)の名前が変わります。私はBoston Universityに通っているため、TBP Massachusetts Eta Chapterの会員となりました。

TBPを始めとした名誉協会はアメリカでの認知度はあるものの、日本ではあまりその存在が知られていません。日本語での情報もほとんどなく、実際、自分もTBPに実際に入るまではどういうものなのかさっぱり分からず、なんか怪しい団体なんじゃないかと思っていました。

この記事では、自分が入会するときにあればよかったなという情報をまとめました。

アメリカと日本の大学システムの違いについてはこちらの記事を参考にしてください。

入会するには

名誉協会は基本的に招待制かと思われます。少なくともTBPは招待制でした。自分の場合は、学部長からある日招待メールが届きました。正直、当時はTBPのことを知らなかったので、学部長からのメールでなければ無視していたと思います笑

招待が受けられる条件ですが、基本的にはGPAが基準になっているようです。どうやら、全米の工学系学生の中で成績が上位5%の学生に入会資格が与えられるようです。招待を受け取ると、次にいくつかの課題が与えられ、それをクリアすると無事メンバーになります。課題の内容はチャプターによって変わりますが、自分の場合は以下の二つでした。

  1. 教授からの推薦状
  2. エンジニアコミュニティへの貢献
  3. 自分が何者かをアピールするエッセイ
  4. TBPの紋章を何かしらのエンジニアリング手法を用いて作成する

1つ目の推薦状ですが、これは最低1通あれば大丈夫でした。ただ単に授業をこなしているだけではなく、教授とも積極的に関わっているか、ということを判断する基準になるのかと思います。

2つ目のエンジニアコミュニティへの貢献ですが、これは様々な方法があります。自分がやったのは大学のEngineering Tutoring Centerで他の学生の勉強をサポートする仕事です。条件はそれほど厳しくなく、4~5時間だけで大丈夫でした。

3つ目は自分のことを表現したエッセイです。実はエッセイでなくとも、なにかしらのメディアであれば問題がないようでした。個人的にはエッセイが一番楽だと感じたので、普通に自己紹介文を書きました笑

4つ目は遊びのようなものです。各々がTBPの紋章(このページの上部にある写真)を作り、入会式のときに展示するといったものでした。エンジニアとしての能力を活かした方法ならどんな方法でも良く、自分は3DでモデリングしてVR内で展示するということをしました。これがなかなか受けたようで、最優秀賞を受け取ることができましたが、アマゾンギフト券がもらえる以外特になにもありませんでした…

これら4つを提出すると入会が認められ、晴れてTBPの会員となることができます。入会に際して式典のようなものがあるのですが、これがまたロマンをくすぐるような厳かなものとなっていて、まるで秘密結社に入るはいるかのような雰囲気で興奮しました笑

入会する利点

入会して得られる利点としては以下のようなものがあります。

  1. 協会メンバーのみが応募できる様々な奨学金団体に応募できる。
  2. 一度会員になれば生涯TBPの協会メンバーとして登録されます。
  3. 会員としてやるべき義務はない。
  4. たぶんコネクションができる。

実質的なメリットとして、まず奨学金があげられます。TBPが運営するメリットベースの奨学金はもちろんのこと、それ以外の奨学金の情報も優先的に入ってくるようです。実際、結構な頻度でTBPから奨学金に関するメールが届きます。個人的にまだTBP経由で奨学金を申請したことはないですが、機会があるに越したことはありません。

そして当たり前ですが、一度入会すればその資格が失効することはありません。もちろん、退会したくなればいつでもそうすることができます。ちなみに会員カードももらえます。そんなにかっこいいデザインではないですが、ちょっとテンションあがります。

個人的に入会を迷う理由の一つに、「メンバーになったらやらなければいけないことがあるのでは…?」というのがありました。学業と研究だけで正直手一杯でしたし、それに加えてTBPの活動をしなければいけないとなると考えものです。ですが、どうやら特にこれといった義務はなく、別に所属したいだけだったらそれでも良いようです。もちろん、TBPの会員同士の集まりなどもあるようですが、自分は面倒くさがりなので行ったことがありません。

TBPの会員は色々なところに存在しており、レジュメなどに書いておくと、ちょっとした話題になることが多いです。例えば、アメリカの大学ではCareer Fairという、企業がキャンパスに来て学生をリクルーティングするイベントがあります。その時に、企業ブースにいる人にレジュメを見せたりするのですが、有名企業だとTBPに入っている方が多く、それだけで話が盛り上がり、他の人より距離感が縮まりやすいです。もちろん、TBPの集まりに出席すれば、そこでもコネクションを作ることが可能です。

著名な会員

著名な会員の詳細なリストはこちらの英語版ウィキペディアに記載されています。例えば以下のような方々が所属しています。

  • バズ・オルドリン(月面歩行を行った史上2番目の人類)
  • ジェフ・ベゾス(アマゾン社の創設者、現取締役会長)
  • シーモア・クレイ(スーパーコンピュータの父、クレイ・リサーチ社の創設者)
  • …etc

正直、著名な人が所属しているからどうっていう話ではないですが、話の種になります。それに加え、大学教授も多くが会員であるため、CVなどに記載しておけば、学業成績が優秀であることをアピールできます。

おわりに

自分の経験に基づいた話になりましたが、なんとなくTBPが何なのか、アメリカの名誉協会とはどういうものなのか、といったことが伝わったかと思います。この記事を見ているアメリカの大学に通っている方で、名誉協会への招待が来た場合は是非入会することをおすすめします。入ったからといってなにか責務が生じるわけではありませんし、ちょっと自分に自信が付きます。決して怪しい団体ではなかったので安心してください笑

コメントを残す

error

Enjoy this blog? Please spread the word :)