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自己紹介

2021年9月よりスタンフォード大学に進学予定。現在はボストン大学に通っています。研究対象はBrain-Machine Interfaces (BMIs)という分野です。
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アメリカ大学院留学 – よくある質問 (FAQ)

はじめに

SNSやメールなどで質問された中から「これはよく聞かれるな」と思うものを中心に紹介し、個人的な答えを書いていきます。もし他に気になる質問があれば、コメント欄またはTwitterでお知らせください。Twitterアカウントはページ下にリンクがあります。

一般的なアメリカと日本の大学院違いはこちらの記事で紹介しています。

出願の際に必要な書類や受けるべきテストなどはこちらの記事で紹介しています。

Q. GPAはどれくらい必要?

一番よく聞かれるのは学部での成績とその重要性です。率直に言うとGPAは3.5/4.0程度あると望ましいようです。大学によってはその年の合格者の平均GPAを公表していることがあるのですが、いわゆる有名校は軒並み3.5以上で、世界ランキング30位以内に入ってくる大学院だと3.75くらい、ランキング10位以内だと3.9前後のようです。

このようにアメリカの大学院はGPAを日本より比較的重要視します。というのもGPAはその学生の継続的な努力を測る上でなかなか信頼のおける指標だからです。もちろん、GPAでの判断は賛否両論がありますが、個人的にはフェアな指標だと考えています。研究成果や大会での受賞歴などは実力+運が必要ですが、GPAは自分の努力次第でどうとでもなります。受験者のなかにはバケモノのような才能で沢山の賞を受賞している学生などがいますが、GPAがあればそんな彼らとも十分渡り合えるようになるため、かなりお得だと思います。(自分はコンテストや賞などで入賞したことがほとんどなかったため、GPAを重要視してくれたのはとても助かりました。)

ただ、GPAを高めるために授業を選んで、成績のためだけに勉強するのはどうかとも思います。GPAとは狙って取るものではなく、学んだ結果として得るものであるべきで、GPAに縛られながら勉強するのはあまり身につかないように思います。なので、あくまでも最優先はしっかりと授業を受けて内容を理解し、自分のものにするということ。その授業で扱われているマテリアルをしっかりと理解できたならばGPAは自ずとついてきます。GPAがついてきていないとしたら、それはまだ自分の理解が十分ではないか、もしくは教授の採点基準に問題があるかです。自分の場合は教授の採点方式に疑問がある時は徹底的に抗議してました。

この記事を読んでる方で、まだ学部1,2年以下の方がいらっしゃったら、まずは目の前の授業を本気で受けて出来るだけ自分のものにしてください。GPAの細かい数値は気にしなくても大丈夫です。本気で授業を受けて、自分なりにしっかりと理解できたならば数値は必ずついてきます。そうでなければ、それは教授がおかしいので、徹底的に抗議しましょう。

GPAがすべてではないですが、学部3,4年でGPAが3以下の方は日本で修士号を取ってから海外大学院に挑戦するのも良いかもしれません。修士課程でなるべく高いGPAを維持できれば学部でのGPAよりも重要視してくれると思います。

Q. 外部からの奨学金は必須?

必須ではありませんが、あったほうが絶対に良いので、必ず外部奨学金への申請をおすすめします。

アメリカ大学院に向けた奨学金についてはこちらの記事で詳しく書いたので、見てみてください。

Q. 研究成果はどれくらい必要?

大学院は基本的には研究のための場所です。なので学部時代に研究室に所属して何かしらの研究に携わっていることはほぼ必須だと考えます。理由としてはいくつかありますが、まず1つとして、自分の研究に対する気持ちを確認できるということ。これは非常に重要なことで、大学院に入って初めて本格的に研究に携わったら、実は研究がそれほど好きではなかった…ということが判明することが意外とあるようです。これが理由で大学院をやめる人もいるようなので、学部時代に研究に携わり、自分は研究に向いているのかといった適正を理解しておくのは重要であると考えます。

他の理由としては、学部での研究経験があれば大学院ですぐに戦力になることができるからです。これは自分的にも、そしてもちろん教授的にもメリットがあります。学部時代に研究を経験したことがない学生に一からすべてを教え込むのは教授にとっても大変です。もし、ある程度の基礎を身につけている学生が他に出願しているのであれば、大学側としてはそちらを優先して合格させるのは理にかなっているかと思います。

そして論文ですが、これは必須ではないと考えます。もちろんあるに越したことはありませんが、必須条件ではないです。個人的にも出願の際に気になっていたので、色々な教授の方に聞いてみましたが、彼らは論文は必要では無いと言っていました。もちろん、第一著書として論文を出していればプラスアルファにはなるけれど、それだけで決め手になるわけではないようです。

Q. 推薦状は誰に頼むべき?

様々な大学院の教授に聞いてみましたが、皆口を揃えて言うのは、「君のことを具体的な例を用いて評価してくれる人物に書いてもらいなさい。」ということです。

当たり障りの無いことしか書かれていない推薦状があると、Admission Committee側はあなたにマイナスの印象をいだきます。というのも本当に関わりのあった教授からの推薦状ならば、具体的な例を伴っているはずで、当たり障りのないことしか書かれていない推薦状というのは、教授にとって印象が薄い学生であった、ということを暗に示しているからです。

なので、その分野の有名な教授に頼むこと以前に、まずは一番自分と関わりのある教授に推薦状をお願いしてください。それが一番重要です。その人が自分の大学院でやりたい研究に携わっていなくてもです。実際、自分の場合、推薦状を書いていただいた三人の教授はBMIとは関係のない分野の研究をしています。もちろん、推薦状を書いてくれる方がその分野で有名な方であればなお良いのでしょうが、必須ではないと思います。

なので現在どの教授ともあまり関わりがない…という人は、まず教授と沢山関わり合うようにする、ということを意識してください。授業で質問を沢山したり、その教授の書いた論文を読んで質問しに行ったりと出来ることはいくらでもあります。一緒に研究をさせてもらえるのであればなお良いです。

Q. Statement of Purpose(エッセイ)には何を書くの?

Statement of Purposeはアメリカ大学院に出願する際には避けては通れない難関の一つです。あまり日本では馴染みのないものなので、自分も最初は何を書けば良いのか分からず戸惑いました…。

Statement of Purposeに書くべきものは

  • これまでしてきた研究内容や企業でのインターンシップ経験について
  • 自分が大学院で行いたい研究とその理由(現状の問題点など)
  • なぜその大学院を志望するのか(具体的な理由を添える)
  • どの教授が特に興味があるか(三名程度で具体的に興味のある研究も述べる)

です。色々な人のStatement of Purposeを見てきましたが、これらの項目は必ずと言っていいほど含まれています。もちろんこれ以外にも含めて問題ないですが、この4つには言及するようにしてください。

そしてStatement of Purposeは基本的に2ページ以内に収める必要があります。Admission Committeeの方々は何千通ものStatement of Purposeを読みます。2ページを超えてしまうと、そうとう興味深いもの出ない限り、彼らは途中で読むのをやめてしまう可能性が大です。なので出来るだけ簡潔に収めてください。

それと、もしGPAが低い場合は、Statement of Purposeにてその理由を書くのが良いそうです。妥当な理由があれば考慮してくれるようです。

Q. 留学経験が無く、会話スキルに自信がない…

アメリカの大学は本当に多様性に富んだ場所で、様々な国から留学生が来ています。そのせいもあってか、発音がおかしかったり文法がおかしくてもそれを理由に相手にされないということはまずありえません。教授や他の学生達はあなたの意見に興味があるのであって、英語力はさほど気にしません。

自分も大学に入学した当初は自分の英語がとてもコンプレックスでした。どうしてもうまく喋れなかったり、変な発音になってしまったり…。しかし、大学四年間でバカにされたことはありませんでしたし、それどころか皆しっかりと意見を聞こうとしてくれました。

大学院に合格したという時点であなたはとても優秀であり、大学で出会う人たちはみなあなたの意見に興味があります。なので、英語力は本当に気にしなくて大丈夫です。授業を受けて、研究をして、ラボメンバーと交流しているうちに英語力は伸びてきます。

Q. 事前に興味のある教授にコンタクトを取るべき?

絶対に取るべきです!

アメリカはアピールしたもの勝ちなところがあります。逆にアピールしないと(良くても)ただの空気になります。これは自分も4年間の学部生活で痛いほど実感しました。なので恐れずどんどんコンタクトしましょう。

もし、今現在興味のある教授がいるのであれば、いますぐメールを送るべきです。ただ、適当に書いたものだとマイナスの印象を与えてしまうので、しっかりとその教授の論文を読み込み、どの研究に興味が湧いたのか、自分がどんなことを考えているのかも書いたほうが良いと思います。

そして簡潔にまとめることをおすすめします。教授は一日に凄まじい数のメールを受信しているため、長い文章が見知らぬ学生から送られてきたとしたらまず読んでくれません。

もし、メールの内容が完璧であったとしても、教授から返信が来ることはほとんどないでしょう。その理由は様々ではありますが、単純に他のメールに埋もれて、見てもらえていない可能性があります。また、ある教授が言っていたのですが、「学生からのメールは一件目にはあえて返事をしない」そうです。なぜか聞いたところ、「本当に自分に興味のある学生なら、何度か連絡をしてくるはずだからだ。」とのことでした。それまで自分は、「一度返信がなかったらもう一度メールを送るのは失礼なんじゃないか…」と考えていたのでこれは結構衝撃的でした。それ以来、返信が1週間程度なかったらもう一度コンタクトするようにしています。

さいごに

以上が個人的に聞かれた回数が多いと感じた質問になります。この記事に書いた回答はあくまで私個人の経験に基づくものなので、聞く人によってもちろん答えは変わってくると思います。「この人はこういう意見なんだな」くらいに捉えて頂ければと思います。

何かカバーされていない質問がある場合は是非コメントやTwitterにてお知らせください。

アメリカ大学院留学 – よくある質問 (FAQ)” への2件のフィードバック

  1. こんにちは。私は海外大学院進学に興味がある筑波大学一年の國井朗光です。
    海外大学院進学を考える際に、一年生のうちから行っておいた方が良い事は学部の勉強以外に何かありますか?
    ざっくりとした質問ですみません、お返事いただけると嬉しいです!よろしくお願いします!

    1. こんにちは、國井さん。コメントありがとうございます!
      やはり院進をするのでしたら、早めから興味のある研究を行っている筑波大学の教授にコンタクトをして何かしらの研究を手伝わせていただくのが良いかと思います。
      自分は学部2年の初め頃に教授にメールして研究室に入れてもらい、約一年後にジャーナルで論文を発表できたので、早めから研究に携わるのが重要だと個人的には考えます。頑張ってください!

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