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自己紹介

2021年9月よりスタンフォード大学に進学予定。現在はボストン大学に通っています。研究対象はBrain-Machine Interfaces (BMIs)という分野です。
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アメリカと日本の大学院システムの違い

はじめに

アメリカの大学院は日本の大学院と比べて違いがいくつもあり、特に日本の大学から出願する方にとっては困惑するポイントです。ここでは両者の違いについていくつか触れていきます。

  1. Master(修士号)はPh.D.(博士課程)に出願するために必須ではない。
  2. 博士課程における授業料は免除されることがほとんど。
  3. 研究者の卵としてしっかり給料がでる。
  4. 博士課程は卒業まで平均5~7年程度かかる。

Master(修士号)はPh.D.(博士課程)に出願するために必須ではない

これは恐らく最も衝撃的な事実なのではないでしょうか。実際、私も学部3年までは、博士を取るためにはまず、修士にいかないといけないと考えていました。そのため、アメリカの場合、学部卒業のあとすぐに博士課程を始める学生が多くいます。修士課程を飛ばして博士課程に入ることのメリットとして、次にお話する2と3の項目があげられます。アメリカの大学・大学院は日本と比べて学費が非常に高いことは有名です。そして修士課程の学生は基本的に学費や生活費は自己負担となります。そのため、修士号だけを取りたいという学生も博士課程に入り、修士号を取得したタイミングでドロップアウトするケースがあります。

博士課程における授業料が免除されることがほとんど

基本的に博士課程の学生は学費を支払う必要がありません。実際、私がオファーされているプログラムは全て学費免除されています。

研究者の卵として給料がでる

これも非常に驚くポイントでした。私が高校生のころに聞いていた日本の大学院生の話では、研究をしながらアルバイトをしなければいけなかったりと、金銭的に大変である印象が強くありました。その点、アメリカの大学院生は研究者の卵として扱われるため、毎月給料が支給されます。そのため、アルバイトなどをする必要はなく、研究に専念することができます。金額は学校によってまちまちですが、平均して$3,000(30万円程度)であることが多いです。また、これ以外にも住宅費や医療費なども保証されます。これらはメリットベースの奨学金(給付型)であったり、Teaching Assistant (TA) を受け持つこと、研究室の資金などで工面されます。

博士課程は卒業まで平均5~7年程度かかる

これは1「Master(修士号)はPh.D.(博士課程)に出願するために必須ではない。」と関係していて、修士号を博士課程の途中で取得することがほとんどだからです。また、修士号を既に持っていても博士課程の期間が大幅に短縮されるということはあまりないようです。このような時間的なメリットであったり、1で取り上げた金銭的なメリットがあるため、アメリカでは学部から直接博士課程に進むことが多いのだと考えます。

さいごに

日本とアメリカの大学院システムのどちらが良いのかは一概には言えませんが、金銭的な面に限って言えば、アメリカの大学院は非常に寛大な待遇をしてくれることが多いです。(逆にこういった待遇がない場合、学費や生活費すべてを含めると年間700~1000万円程度かかるため、進学することは非常に困難になります。)最近では日本でも大学院生を対象とした給付型奨学金の制度が整ってきているようなので、今後より多くの院生が研究に専念できる環境になることを願います。

アメリカと日本の大学院システムの違い” への4件のフィードバック

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