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自己紹介

2021年9月よりスタンフォード大学に進学予定。現在はボストン大学に通っています。研究対象はBrain-Machine Interfaces (BMIs)という分野です。
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アメリカ大学院留学 – 出願準備編

はじめに

この記事ではアメリカ大学院に出願する際に必要な書類や試験、そして準備すべきことを可能な限り詳しく紹介します。

アメリカ大学院に出願したいという人は結構いるようですが、やはり日本人で出願するとなるとリソースが少なく、出願自体の敷居が高いのが事実です。分かってしまえば意外と簡単なプロセスですので、より多くの日本人学生の方が気軽にアメリカ大学院を選択肢の一つとして目指せるようになればと思います。

大学院は修士課程と博士課程のどちらがおすすめ?

個人的には博士課程を強くおすすめします。「アメリカと日本の大学院システムの違い」の記事でも述べたように、まず博士課程に出願するのに修士は必要ありません。日本では修士号がなければ博士課程に進めないかと思いますが、アメリカでは学部のあとすぐに博士に進むことができます。なので、将来的にアカデミアに進むと考えているのであれば、博士課程に出さない理由はあまりありません。もしインダストリに進むことを考えているのであれば、修士課程への出願も理にかなっていると思います。

そしてアメリカ大学院の博士課程の学生への待遇は驚くほど良いです。まず学費が無料なのは当たり前で、かつ保険なども保証されることが多いです。そして何よりそこそこの給料を毎月もらうことができます。金額は大学によってまちまちですが、大体の場合、月25万円程度は給料がもらえます。大学によっては住宅費や食費もサポートしてくれる場合があります。例えば自分の場合、University of Washingtonから授業料、医療費、給料、生活費(住宅費や食費などなど)すべてを含めて年間約20万ドルのオファーを受けています。大学院に行くのはお金のためではありませんが、お金に不自由がないことに越したとこはありません。大学院在学中にお金を稼ぐために働く必要がなく、研究と学問に専念できるというのは本当に素晴らしい環境だと思います。University of Washington以外の大学院からは平均して年間約10万ドル程度でオファーを受けています。

出願に際して必要な書類は何?

  1. 推薦状(最低3通)
  2. Statement of Purpose (いわゆるエッセイ)
  3. 大学の成績証明書 (GPA4.0換算のもの)
  4. TOEFLの公式スコアレポート
  5. GRE(大学院用共通テスト)の公式スコアレポート(オプショナルな場合が多い)

以上が一般的にどの大学院に出願するにも必要な書類となります。この他に、プログラムによっては応募用オンラインフォームに追加で必要な書類などが記載されている場合がありますので、必要に応じて追加してください。

いつ頃から準備をする必要がある?

基本的にほとんどの書類に関して言えば、半年もあればすべて準備が整います。問題は学部での成績と活動内容です。これは早ければ早いほど望ましく、遅くとも学部2年の終わり頃には大学院入学に向けて活動を始めるのをおすすめします。

出願の際には学部での総合GPAを提出する必要があるため、可能な限りGPAは高く維持しておくことをおすすめします。最初の1,2年であまり成績が芳しくなかった場合でも、3,4年の成績が良ければ問題ないことが多いです。その場合は、Statement of Purposeなどになぜ成績が芳しくなかったのか、正当な理由を書いておくとなお良いです。

大学院は何を一番重要視しているか。

出願する際に最も気になるのは、「合否に最も影響する要素は何なのか?」ということでしょう。様々な大学院の教授と話した結果、個人的には以下の順番に重要であると考えます。

推薦状 > コネクション >> Statement of Purpose = 研究 = GPA >> TOEFL > GRE

以下、それぞれについて説明します。

推薦状について

恐らくアメリカ大学院に出願した方が口を揃えて言うのは、推薦状が最も重要であるということ。基本的に大学院は研究の場です。なので、大学院が欲しい学生というのは、研究成果を出せる見込みのある人間になります。そして、学生の客観的な研究能力を知る上で、同業の教授が書く推薦状というのは、Admission Committeeの方々が合否を決断する際に非常に有益な情報と成り得ます。

そして、推薦状は必ず、自分のことをよく知る教授または上司にお願いしてください。「自分をよく知る方」というのは非常に重要なポイントで、様々な大学院のAdmission Committeeの方々が口お揃えて言っていました。あまり関わりのない教授に依頼しても、ありきたりなことしか書いてもらえません。そしてAdmissionの方々は何千通もの推薦状を読んでいるので、すぐに上辺だけの推薦状に気付きます。自分のことを、詳しい具体例とともに良く書いてくれる教授に頼みましょう。

コネクション(教授との繋がり)について

推薦状と同じくらい重要だと考えるのが、対象校に在籍している教授との繋がりです。繋がりといっても大したものではありません。単純に出願する数ヶ月前から、興味のある教授にメールでコンタクトをするだけです。大抵の場合は無視されますが、諦めずに根気強くメールを送り続けることが大事です。メールでは、「どういった研究に興味があるのか?」、「その教授のどの研究が気になっているのか?」、「ラボのポジションは空いているか?」などと言ったことを聞くのが一般的かと思います。いきなりメールしたら迷惑かも、と思うかもしれませんが、アメリカは主張しなければ見てもらえません。心配せず、どんどんコンタクトしていきましょう。1週間返事がなかったらもう一つ送るくらいのスタンスで大丈夫です。コンタクトをとって教授から返事があり、有益なコミュニケーションが取れれば、合格率はグンと上がります。

Statement of Purposeについて

Statement of Purposeはエッセイのようなものです。主に含める内容は、

  1. 自分が学部時代にどういった活動・研究を行っていたのか
  2. 大学院ではどういった研究をしたいのかと、その動機
  3. なぜその大学院じゃないといけないのか
  4. どの教授のなんの研究に興味があるのか

これらを基本的に1ページから2ページの間に収める必要があります。英文に自信がない場合は、添削サービスなどを利用するのも良いです。しっかりとしたStatement of Purposeを書くには2,3ヶ月を要します。なので学部4年の初めには書き始めるのがおすすめです。

GPAについて

そしてGPAですが、これはStatement of Purposeと同じくらい重要です。出願する大学院にもよりますが、全米トップの大学院に合格するには少なくともGPA4.0中3.5程度ないと心もとないです。世界ランキング10位以内に入ってくる大学院になるとより厳しく、合格者の平均GPAは約3.95/4.00程度であると言われています。

ただ、あくまでこれらは平均であって、必須条件というわけではありません。3.5を多少下回ってても、妥当な理由がStatement of Purposeに記載されていれば、その点を考慮してくれるらしいです。研究で結果を出していたり、学外の活動などが妥当な理由になります。しかし、GPAは高いに越したことはありません。特に、現在学部1,2年の方などは、まず眼の前の授業を真摯に取り組み、オールAを取るくらいの意気込みで頑張ってください。

TOEFLについて

大学院に正規留学する場合、まずはTOEFL iBTで80点以上を目標にしてください。80点以上あれば、それを理由に落とされるということはないかと思います。ただ、上位校を狙う場合は100点以上であるのが望ましいです。詳しい点数の要求は各大学のウェブサイトに記載されていることが多いので、是非検索してみてください。

TOEFLは他の英語試験と比べ難しいですが、試験であることには変わりなく、何回か受けていれば自ずと点数は上がっていきます。もちろん100点を超えるためにはしっかりとした対策をする必要がありますが、そこまで大変ではありません。「日本育ちでTOEFL100点を超えるための勉強法」というシリーズも公開しているので、点数が伸び悩んでいる方などは是非参考にしてみてください。自分が100点を超えるまでに行った勉強法をまとめてあります。

GREについて

例年、アメリカ大学院出願では基本的にGREが必要でした。しかし、COVID-19の影響などもあり、多くの大学がこういった共通試験のスコアを必要としなくなってきています。事実、自分が出願した大学で、GREのスコアを必要としたところはありませんでした。オプショナルとして受け付けているところはありますが、その場合でも「GREのスコアが合否に影響を与えることはない」と明記しているところが多かったように思います。なので、これからアメリカ大学院を目指そうとしている方は、GREについてあまり心配する必要はないかと思います。

どこから出願するの?

そして意外と知られていないのが、どこから出願するのかということ。アメリカ大学院は基本的にすべてオンライン上で出願します。すべての書類はPDFとしてアップロードするか、大学から直接データを送ってもらうかになります。TOEFLスコアの場合は、TOEFLを運営しているETSから直接送る必要があります。

紙の書類が必要ないため、日本からの出願でもとても楽です。ちなみに、出願用のウェブサイトがどこにあるかというと、「大学名 graduate application」と検索すれば出てきます。

最後に

この記事では、アメリカ大学院に出願するための情報をかなり網羅できたかと思います。もし不明な点があれば、お気軽にコメントを残してください。またツイッターもやっているので、フォローしていただけると嬉しいです。(アカウントのリンクはページ下にあります。)

近いうちに、自分が出願した際のスコアやGPAなどを公開したいと思います。多くの方が気になっているのは、「じゃあどれくらいのスコアがあればアメリカ大学院に合格するのか?」という情報だと思います。なので、これくらいのスコアでここに受かるんだな、という参考になれば幸いです。

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